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この夏も パラスパレスに自信作の山葡萄のかごバッグが登場します
東北のかご工房を訪ねたのは8年前のこと
知人を介し職人さんに頼みましたが
材料と職人の確保が難しいこと
工芸品と服との業界のちがいという理由から
良い返事はいただけません
それから何軒も工房をあたるも結果は同じでしたなかば諦めかけていた時に出会ったのが
長野県大町市に工房を構える「山葡萄籠工房」の船生さんですそのバッグは 緻密で均整な編み つくり手の良さが伝わる美しいものでした
見惚れていると 船生さんから思わぬ言葉がつづきました
「じつはこれは中国でつくっています」と
わたしたちはこれまで日本のものづくりにこだわってきました
それも 長い間思い求めてきたかごバッグですそこで詳しくお話を聞くと
かご職人の高齢化 技術の簡素化
文化をつなぐにない手不足の背景がみえてきました船生さんも同じ思いを抱きつづけた末
中国の工房にたどり着いたのですこのかごに込められた思いと誇り高い技術を知り
なにより良いものをつくりたいという姿に
お願いすることを決めました—–
山葡萄は標高の高い山奥に自生しています
沢皮と呼ばれる
全体の2割しか採れない貴重な水辺の蔓を使いましたつぎに材料作りです
沢皮から「ひご」というひも状に加工します3ミリの特別に細いひごをつくり
さらになめす手間も入れました
これはどちらも国内ではできない丁寧な仕事で
この細さが極立つよう
連続枡網代(れんぞくますあじろ)
という編み方で仕立てています
今年は杉綾のような斜め網代編みもくわわりました日々使うなかでふれる手の油分や水分
お手入れの仕方で色つやが変わりますインディゴのように一緒に育つ
自分だけの色になる山葡萄のかごバッグどうぞ末ながくおつきあいください