春を告げる こぶしの刺繍シャツ

春は すがすがしい白シャツに袖を通したくなる季節です

今季のテーマ「ぬきえもん」は
着物の後ろ衿をおとす「抜き衿」から着想した
シャツの着こなしを楽しむ提案です

そこで辛夷の花を「テープ刺繍」で描き シャツを仕立てました

テープ刺繍は大変手間と時間がかかるもので
まず テープ作りからはじまります
生地をななめに裁断してバイヤステープ状にしていきます

そうすることでほつれにくく曲げやすくなりますが
その反面必然と継ぎ目ができます

それをボビンにひとつひとつ手巻きして刺繍機にセット
これでようやく刺繍工程に入ります

テープを丸めながら模様を描き生地に刺していきます
注意深くゆっくりと 針が外れないように調整したり
テープの途切れるタイミングを計ったりと気が抜けません

継ぎ目を一つ一つ手作業で綺麗に整えたりと
妥協をせず 丁寧にとりくむ職人さんの姿勢がなければ
この表現はかないませんでした

こうして 白色だけでも奥行きのある
パラスパレスのシャツがうまれました

刺繍に さらに洗いさらしの表情もくわわって
こぶしの花が咲いているようです

そこにたくさんの手と手が 思いがつながっていることを
すこしでも感じていただければ幸いです